【詩】失神

ちょうど私と私とが分離する際、爆撃機の雷鳴により生じたフローリング上の波紋が収束する。

静寂は、Bluetoothが途切れたためでもあり、それから、孤独が精神の痙攣をきたしたためでもある。

けれども、季節の香りは可視化されるばかりで、頬を伝う涙も押し寄せる情報の波へと取り込まれる。 

隷属は死であるが、反抗する気概はない。我々はただ、街灯を照らす月明かりへと続く、骨の疼く階段を探すしかない。

充電ケーブルを首にかけて眠りにつく。

ひとまず。

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kiyuhara tomokata