自分のことについて、思ったり、感じたりしたことを自由に書き綴ています。脈絡のない話だと思うんですけど、素直な自分の一面を表現できたらと思います。
自分の詞
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自分の詞
とけるまえにーⅢ
工場を後に、暮ヶ岳のふもとを目指した。暮ヶ岳は、夕暮れ時の山際がちょうど裾野の紅花畑と共に自然の諧調を浮かび上がらせることから、その名がつけられたという。暮ヶ岳の頂が薄明るい空を背景に浮かび上がる。山肌には平成初期の噴火 […] -
自分の詞
とけるまえにーⅡ
田中康弘は、明朗とした、けれども快活かと聞かれるとそうではない、そんな青年だった。大学3年の学祭で話しかけられたのが彼を知ったきっかけだが、いつから親しくなったのかはあまり覚えていない。サークルや趣味が同じというわけでは […] -
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とけるまえに
四角くくり抜かれた景色は、まるで切り貼りされた絵のようで、どこか嘘っぽい。流れる雲も、遠ざかる街並みも、ただの装飾とさえ思えてくる。東京を発ち、向かった先は山形県最上地域の山中にある「ツイナ村」。明治時代、日本の紡績業を […] -
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美の奥底
昔から私は、何か確信めいたものに近づく度、どうしても声の震えを抑えることができなかった。美しさや真実、それから優しさ、そういった類のものに触れると怪我をするのではないかとまで錯覚した。人にそれを打ち明けると、「君は臆病だ […] -
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The relative moon
冷えかけのスパゲティをフォークで弄んでばかりいるのは、現実を飲み込めない気持ちの現れである。温かさを失い、もはやただの冷たいパスタと化したそれは、まるで自分自身を映し出しているかのように見え、気づけば私は部屋の外にいた。 […] -
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禁忌
死人の肌に触れるとき、そこに熱感はなく、ただ静寂だけが広がっている。生の鼓動はすでに消え失せ、滑らせた指先に残るのは、どこまでも冷ややかで乾燥した皮膚の感触。 「肉体」という言葉には、艶めかしさと陰鬱さとが入り混じった独 […] -
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時のしじま
ベンチに腰掛けて君を待つ 木枯らしは少し身に染みるけど 陽の光を浴びながら 黄色の帽子が青信号を駆けていく 遠くで聞こえる笑い声と、風に乗る葉のささやき 公園には、キャッチボールをする親父と爺 言葉を超えた何かで そっと […] -
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微熱
クラクラする 夕陽でも降ってきたかな って今日は土砂降り 雨音が胸を叩く 枯れた涙腺へ流れ込む 鼓動と一緒に感じた熱 心がざわつく 滲む景色に紛れて 失ったものを探していた 足先を湿らす水たまり 映りこむのは陽炎か 見つ […] -
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機知という名の一石を
感性か理性か。芸術的偶然性か学術的蓋然性か。もしくは、瞬間への固執か帰納への憧憬か。まあ、どちらにしたって真実への道のりはなかなかに険しいけれど。 僕は地方医学部に通う医学生です。 大学の講義中、診断をつけるにあたって経 […] -
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選挙に行ってきました
今日は10月27日。 第50回衆議院議員総選挙の投票日です。 恥ずかしながら、選挙に行くのは今回が初めてですけど。 近くの公民館へと、葉書を手に、いざ。 入ってみると、あっという間に終わりました。 こういうのもなんですけ […]