【詩】トンボ

はなしたトンボを捕まえては

鬼ごっこを繰り返していた夕暮れを思い出す。

そう、夏祭りの翌日。

アサガオは枯れたけど、はなびらの痕が日焼けしている。

夕立ちにゆれたちょうちんは空の色にとける。

太鼓の音はにじんていた。

雲間に差す陽がアスファルトを流れると、暖かなオレンジがただよう。

扇風機の音がぽつり、こだましている。

ふと、髪の毛がそよいだ。

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kiyuhara tomokata