安閑たるもの

絶望が希望のふりして近づいてくる。

コンコンコンって近づいてくる。

このままだと狂ってしまう。

ダメだ。

 

そのまま、海へと落ちていく。

落ちていく。

ああ、安らぎを覚えるこの生温かさ。

絶望のこの血の香り。 

堕ちていく、堕ちていく。 

どこまでも、どこまでも。

 

忘れていた。

希望というものの味気なさ。 

忘れていた。 

絶望というものの心地よさ。

どこまでも堕ちていく。 

この命、尽きるまで。

この記事を書いた人

kiyuhara tomokata