微熱

クラクラする

夕陽でも降ってきたかな

って今日は土砂降り

雨音が胸を叩く

枯れた涙腺へ流れ込む

鼓動と一緒に感じた熱

心がざわつく

滲む景色に紛れて

失ったものを探していた

足先を湿らす水たまり

映りこむのは陽炎か

見つめても答えはなくて

寒風に背を押される

曖昧な記憶をなぞるように

立ち止まることは許されない 

脳裏に浮かんだ

キャスターのあの言葉

瓦解したのはベルリンの壁ともう一つ

光が目に入る

クラクションが鳴り響く

体はなんだか軽い

この記事を書いた人

kiyuhara tomokata