ワを以て貴しとなす

 「和を以て貴しとなす」という言葉は、古代日本の精神を象徴する言葉で、人々の調和や協力を大切にするという意味です。特に聖徳太子の十七条憲法で有名です。これは、人々が争わずに協力し合い、調和を保つことが最も尊いという考え方を示しています。

 今の時代をみてみると、「輪を以て貴しとなす」と感じる部分があります。現代では、社会の多様性が増し、インターネットやSNSを通じてグローバルなつながりやコミュニティが広がっています。そういった中で、輪をつくることが第一義的というか、自己目的化してしまっているような気がします。

今の時代における「輪」の重要性

  • つながりと協力: 現代では、個人の力だけではなく、多くの人々や企業、国際的なパートナーシップが必要とされています。問題解決には、異なる意見を持つ人々や異文化との対話、協力が不可欠です。まさに「輪を以て貴しとなす」精神が現代にマッチしています。
  • ソーシャルネットワークの重要性: インターネットの普及により、物理的な距離を超えたつながりやコミュニティが形成されています。SNSやオンラインプラットフォームを介した「輪」は、新しい知識やアイデアの共有、支援の提供、そして多様な人々との交流の場として、現代において非常に重要です。
  • 社会的共存: 社会の多様化が進む中、対立や摩擦も増えますが、それでも調和を重視し、共存していくことが求められています。この点では、現代社会における「和」の精神も必要です。

「和」と「輪」の共通点と違い

 「和」は内面的な調和や平和を意味し、「輪」は人々のつながりや共同体を強調する言葉です。どちらも大切ですが、現代では特に「輪」、つまりネットワークや人々のつながりが強く求められているように感じます。

 人と人とのつながりは、確かに大切なものです。しかしながら、人の輪は結果的に生じたものであるべきだと僕は考えます。「和によって輪をなす。それが、和につながる」そういったスタンスが大事なのかなと思います。

 調和とつながり、そのバランスをどのように取っていくかが、これからの社会にとって重要なテーマかもしれません。

この記事を書いた人

kiyuhara tomokata